とても楽しい本です。一気に読めます。
著者の他の本も紹介したいところですが、それはまたの機会ということに…
今回は飲茶さんの著作『史上最強の哲学入門・東洋の哲人たち』の序盤についてのみ、感想を書いていきます。全部書いたら、ネタバレになるので。
では、まず、“東洋哲学の難しさ”から…
東洋哲学は、学習の積み重ねで理解するものではなく、体験することによって理解するものである。
たとえば、悟り。
仏教の、悟り。
それは口で説明したところで、わからせることはできない。悟りまでの道のりを案内することはできるが、最終的には自分で体感しなければならない。
だから難しい。
本書を読んでいて、哲学が、難解な用語を苦労して修得し、先人の知恵を暗記するだけのものではなく、実用的な学問であることがわかりました。
また、“私”は“私”を認識できないという発想も、自分にはありませんでした。
勉強不足ですね(笑)
本書では、“私”とは何かが定義されています。簡単に言ってしまうと、モノ…目の前のモノを認識するのが、“私”です。
“私”は認識するが、認識されることはありません。認識するものを、認識したら、認識するものを認識したモノが、認識するモノになる。その認識するモノを、認識したら、今度は、その認識するモノを認識した者が、認識する者になる。以下、繰り返し…
ということは、逆に考えれば、認識の対象物は、“私”ではないということになる。
認識の対象になるものは、たとえ肉体や感情でさえ、“私”以外のもの、すなわち“外界”である。
要するに
肉体や感情は仮初めのもの、衰え、滅するものだ。それらが傷つくと脳が反応するからとりあえず痛みを感じるけれど、“私”自身には何の影響もない。
従来、ぼくは自分の体を含めて、“私”と規定していたが、そうではなく、認識するもののみが“私”なのだ。“私”と“外界”の境界が変わったのだ。肉体と世界ではなく、認識するものとそれ以外に…
認識の対象物は全て、いずれ、滅する。だから慈しむべきものは慈しみ、忌諱すべきものは忌諱すればよい。但し、認識の対象物は、認識するもの=“私”ではないから、思い通りにはならない。
そしていつか、“私”も消える(たぶん)。
…と、わかりにくい感想で恐縮ですが、本書は明快で親切に、それこそぼくのような哲学・東洋史に縁のない者にも、読むことができるように書いてあります。
もちろん誤読している可能性は高いです。というのも、哲学はちょっと考えただけで把握できるものではなく、深遠で、複雑なものだからです。
本書は楽しく、時には笑って、難解な東洋哲学に触れることができます。想像を遥かに超えて、面白かったです!
ちなみに、本書の流れは以下のように。
インド哲学
ヤージュニャヴァルキヤ
釈迦
龍樹
(バラモン教~仏教)
中国哲学
孔子
墨子
孟子
荀子
韓非子
老子
荘子
(諸子百家)
個人的には墨子の生きざまが気になりました。墨子は博愛主義者ですが、口だけではない、行動の人です。当然、書籍はあります。
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仏教に関する映画は色々ありますが、洋画だと、チベット関連の作品が目立ちます。政治的な思惑もあるのでしょうか。
とはいえ、仏教徒と言うと、ぼくはぼくで、レイジのデビュー・アルバムのジャケを連想します。あ、チベットではありませんが。
- アーティスト: RAGE AGAINST THE MACHINE
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仏教関連の映画を3作品
- 出版社/メーカー: IVC,Ltd.(VC)(D)
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『リトル・ブッダ』はベルナルド・ベルトルッチ監督作品。『ラストエンペラー』と『シェリタリング・スカイ』と本作品で、オリエンタル三部作と言われる。劇中でシッダールタ(=釈迦)を演じたのは、キアヌ・リーブス。
『セブン・イヤーズ・イン・チベット』はブラピ主演。それと『クンドゥン』で、チベットの置かれている状況と苦難の歴史をざっくりと知ることができます。
- 作者: 手塚治虫
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禅についての動画はAmazonプライムにあります。2作品とも有料なのが玉に瑕。
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映画『禅と骨 Zen and Bones』公式サイト| @zenandbonesfilm https://t.co/ab7LbpDNiW
— 高空でクロール (@eigasekai_news) 2019年11月5日
昔はレンタル・ビデオ店でお金のことなんて考えないで適当に借りていたのに、ちょっと前までは気に入った映画のBlu-rayを平気で購入していたのに、定額制に加入してからというもの、有料作品を借り渋るようになりました。元来がケチだからか。
しかし認識の対象は滅するのだから、ケチな自分もいずれ、消えてなくなるかも…