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『マラソンマン』1976年アメリカ / 主演 ダスティン・ホフマン


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監督 ジョン・シュレシンジャー
原作・脚本 ウィリアム・ゴールドマン


登場人物

トーマス・バビントン・"ベーブ"・レヴィ
コロンビア大学の院生
(ダスティン・ホフマン

クリスティアン・ゼル
元ナチ党員
(ローレンス・オリヴィエ

ヘンリー・"ドク"・レヴィ
ベーブの兄で、表向きはビジネスマン
(ロイ・シャイダー

エルサ・オペル
ベーブの恋人だが、実は…
(マルト・ケラー)



さて、本編について話そう。


『マラソンマン』は、大学院生ベーブが、ナチの残党どもにひどいことをされる映画。
残党の頭目は、元歯科医のナチ党員ゼル博士である。彼は強制収容所で、ユダヤ人から金やダイヤを巻き上げて、懐に入れていた。典型的な悪者だ。

本作品は中盤まで、くどくど説明が入らない。
先がよくわからないから、観客は緊張してストーリーを追うことになる。
ベーブの恋と、ベーブの兄ドクの暗躍が交互に描かれ、中盤以降は、ベーブとゼルの対立に収束していく。

拷問シーンが有名だけれど、さすがに時代の流れには勝てない。とはいえ、当時はこれがブルータルな拷問とされていたんだ、ということがわかるだけで、存在価値はある。

但し時代性を考慮に入れても、登場人物の行為自体に見所は少ないかもしれない。カーチェイスも、拷問も、ロマンスも、快哉を叫ぶほどではない。

個人的には、セリフより、表情や所作で描写している場面が所々で見られ、中々だと思った。
謎が多い展開の中で、エルサの心理的プロセスを、(ある程度)表情で追えた気がする。
ベーブの部屋や走り方、ロレックスを10セントで売るところなども、杜撰な性格をよく表している。また、ベーブの汗や肉体が妙に生々しい(笑)


ところで、冒頭の、ドイツ人とユダヤ人によるカーチェイスが、喜劇から悲劇に一変するくだりは、何かの喩えだろうか。

どうも、うがった見方をさせる作品である。


同監督同主演『真夜中のカウボーイ』も、時間があったら観たい作品。何度も観たが、たまにまた観たくなる。好きなときに、何度でも観たい映画が観られる時代で本当によかった。