第二次世界大戦において、ある天才が偉業を達成し、国家(イギリス)に尽力するものの、戦後は国によって貶められる映画。
ある天才とは、数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)のこと。彼は実在した人物であり、コンピュータの父や人工知能の父と呼ばれているそうだ。
早くから数学的才能を開花させるが、人間的にはかなり偏りがあった。それも今となっては、彼が天才であることの証みたいな捉え方をされるけれど、当時はどうだっただろうか。傍迷惑な奴だったかもしれない(笑)
第二次世界大戦のとき、チューリングはドイツ海軍・Uボートの暗号解読などに従事したあと、ドイツのエニグマ攻略に乗り出す。エニグマという暗号機による暗号文を解読するための、装置の開発に没頭する。
チューリングにとって、他人との摩擦はよくあること。それが成功の妨げになっていることに、本人は思い至らない。
人を生かすのは結局、人に尽きるのだが。
才能ある女性であり、チューリングの理解者となるジョーン・クラーク(キーラ・ナイトレイ)の登場により、やっと、巨大な歯車が回り出す。
チューリングは努力と閃きによって、エニグマによる暗号文を解読する。それはもちろん、イギリスの勝利に大いに貢献したはずだし、彼は英雄級の活躍をしたに違いない。ただ、時代が悪かった。
1952年、チューリングは男娼との性交渉により、逮捕された。当時のイギリスでは、同性愛者による行為は犯罪だった。
※Wikipediaによると、本作品と関係者は、チューリングの功績を広めたことが評価され、LGBT権利の推進団体によって表彰された。