2011年公開『メカニック』の続編。事故に見せかけて標的を始末する“メカニック”こと、アーサー・ビショップ(ステイサム)は本作品でも、相変わらず暴れまわっている。但し、個人的には前作のほうが好きだ。
本作品には、恋愛要素が用意されている。
それにより、普通のアクション映画として受け入れやすくなった…
だろうか?
よくわからない。
お相手はジーナ(ジェシカ・アルバ)。ビショップは彼女とのやり取りの中で、今回のボス敵・武器商人クレインと対峙する覚悟を決める。また、彼自身の口からクレインとの因縁が語られる。
ただ、ジーナを救うには、クレインの依頼を受けなければならない。
依頼とは、クレインのライバルである武器商人3名、つまり、商売敵の処分だ。彼らは世界各地でそれぞれ活動している。ビショップは潜入して、ミッションを達成していく。
標的の所在は三者三様で、ビショップが、さも世界を飛びまわったふうにはしてあるが、国ごとの特色など全く描かれていない。いっそ、アラスカ・アリゾナ・アラバマでも、よさそうなものだ。
そもそもミッションの難易度に、ぼくは関心がない。かっこよく、テンポよく、やってもらいたい。どうせうまくやるんだから、こちらの意識を上回るスピードでアクションを展開してもらいたい。前作にはそれがあった。弟子の存在も大きかった。ぼくは今、ファストフードチック・アクションを観たいのだ!
本作品が特段つまらないわけではないけれど、ぼくは恋愛を求めていなかった。個人的な好みで恐縮だが、そういうのは遠景で構わなかった。
ジーナの存在により、“ワールドミッション”は渋いおっさんが女子を救うためにがんばる映画になってしまった。
とはいえ、モノには色々な見方がある。
アジアで孤児の面倒を見るジーナを、かつて孤児だったビショップが助けるのは必然だった、と言えないこともない。
前作『メカニック』の感想はこちら。