上空でクロール

介護福祉士による雑記ブログ。主に、映画・本・時事。目標は1000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『プレシャス』2009年アメリカ / 監督 リー・ダニエルズ / 脚本 ジェフリー・フレッチャー / 原作 サファイア『プッシュ』


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出演
ガボレイ・シディベ
モニーク
ポーラ・パットン
マライア・キャリー
レニー・クラヴィッツ

第82回アカデミー賞で、脚色賞を受賞。プレシャスの母親役を演じたモニークが助演女優賞を受賞。

プレシャス(字幕版)

プレシャス(字幕版)


感想

ハーレムで生きる、16歳の黒人少女プレシャス。毎日、母(モニーク)に暴言を浴びせられ、友達はいない。空想の世界に翔んで、幸福感に浸る。プレシャス(ガボレイ)のお腹には、二人目の子が宿っている。子供の父親は…


ああああああ!
とにかく、いやな世界だ。
観ている間、ずっと哀しかった。

小学生みたいなことを言うが、子供が虐待される作品を観ると、人間てなんだろうと思っちまう。

世界には、とてつもない数の不幸があふれていて、涙の総量は軽く海のそれを超えているに違いない。そう、この世では、哀しみのほうが圧倒的に優勢なのだ。

多くの人は幸せになろうと生きている。なのに、なんで、幸せになれないのだろう?

…と、考えたところで、どうにもならんので、本作品に話を戻そう。

プレシャスは太っている。太っていても、きれいな子はいるが、彼女は違う。でも芯は強い。強いから、苦しくても、独りで耐えたのだ。

プレシャスの母は、何かに依存して生きてきた女である。汚くて、弱くて、自己中心的で、醜くて、へどが出る。モニークはよく演じたと思う。鬼気迫るとは、まさにこのこと。

“学校なんか役に立たない。生活保護受けてりゃいい”

母親のセリフである。こういう奴は、誰かが助けてくれて当たり前と思い込んでいる。そして残念なことに、誰かが助ける仕組みになっている。
福祉は清い人だけを救うものではない。条件を満たした者を、金品で支援する制度である。人間性など、どうとでもなる。

とはいえ、プレシャスが二人目の子を妊娠したことがばれ、退学になったあと、フリースクールの助けを得て、鬼のような母親から離れることができたのは、大いに喜ばしいことである。

それでも、プレシャスの人生が過酷であることに変わりはない。


三歳から性的虐待を受け
一人目の子はキッチンで生み
その子はダウン症

父はHIVで亡くなり
父と交渉があったプレシャスも陽性。

二人目の子はHIVではないが
感染の恐れがあり、授乳できない。

プレシャスに恋人がいたことはない。


気がつくと、プレシャスを応援している自分が…


ちなみに、マライア・キャリーがソーシャル・ワーカー、レニー・クラヴィッツが看護助手役で出演している。