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『鍵泥棒のメソッド』2012年日本 / 堺雅人×香川照之×広末涼子 / 監督・脚本 内田けんじ


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☆ひょんなことから入れ替わった、鍵泥棒と殺し屋が織り成す、ちょっとハードボイルド(?)なコメディ映画。


感想

入れかわりと言えば、大林宣彦監督『同級生』とか、いや、古いか。ぼくも幼少のころにTVで観た記憶があるような、ないような…

最近の映画で言うと、『君の名は』だろうか。

どちらも超自然的な方法で入れかわるが、本作品の場合は違う。

貧乏役者が、記憶喪失になった人間になりかわる。

経緯は、こうだ。

ある殺し屋(香川照之)が、銭湯ですべって頭を打ち、気を失ってロッカーの鍵を落とす。
そこにたまたま居合わせた貧乏役者・桜井(堺雅人)が何を思ったか、その鍵と自分の鍵をすりかえる。

桜井は殺し屋のスーツを着込み、殺し屋の車を乗り回し、殺し屋の高級マンションで暮らす。

一方、殺し屋・山崎は記憶を失う。所持品から自分を桜井と思い込み、桜井のぼろアパートで生活を始める。そして、病院で知り合った、雑誌の編集長・水嶋香苗(広末涼子)と過ごすようになり、互いに惹かれ合う。

桜井は殺し屋として裏の世界と関わり、山崎は貧乏役者である現実を受け入れようと努める。

桜井のミスとベートーヴェン弦楽四重奏曲が重なった瞬間、ワンダーランドは終わりを告げる。


山崎は記憶を失ったことにより、かけがえのないものを手に入れることができた。また、取り柄のない桜井の人生にも、新たな希望が用意されている。とても優しい映画である。