上空でクロール

雑記ブログ。目標は100000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『トランス・ワールド』感想と解釈


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2011年(アメリカ)

監督
ジャック・ヘラー

出演
サラ・パクストン
スコット・イーストウッド
キャサリン・ウォーターストーン

・山小屋に迷いこんだ三人の過去と未来。

感想

・山小屋とその周りの山林で話は進む。周りに人は住んでいない、電話もない、夜は氷点下5度。車が壊れ、なんとか山小屋にたどり着いた怪しい人々…

・密閉空間における群像劇。つまり、小屋とか、船とか、限定された小さな空間に閉じこめられた人々の言動・感情で構成された物語。よくある手法だし、動きがないので、センスが問われるし、観客を納得させるのは難しい。サスペンスでいって、意外性でおとす…言うは易し。
本来、スマホやパソコンが普及している現代で、その手の話はきついが、たまにすごい作品が出てくる。予算がなくても、豪勢なCGがなくても、いい映画は作れるらしい。

・全く予備知識なく観ていたので、序盤はこういった疑念を抱きましたが…

三人とも、どういう迷い方をしたの?
車だよね?
走ってきたほうに向かって、歩けば?
軽装だし、めちゃくちゃ遠くからやってきたわけじゃないよね?

完全にやられました。そうきたか…そこは盲点だった…物語の2/3地点。

・個人的な解釈では…

強盗にあう店主は天使である。『天使のくれた時間』のドン・チードル的な…。彼が憐れな人々を救い続けている。だが救われない命もある。ジョディが彼氏と出会っていないことが、終盤の強盗シーンでわかる。思えば、消えたのは〝彼〟だけだった。

話は飛躍するが、店主が天使だとすると、憐れな女性たちを店に伴う強盗のケヴィンは、天使の子分かもしれない。ケヴィンが選び、天使が異世界に飛ばす。そのループが彼らのささやかな活動である。
とも思ったが、そうなると、ケヴィンの息子の存在を否定することになるので、撤回する。天使の子分の息子が、邪悪な神父に手をかける、という裏設定も面白いが…、やっぱり無理がある。



・頭の固い、ぼくのようなおっさんはたぶん、ころっと騙されます。映画で騙されるのは、嬉しい限りです。