2016年(アメリカ)
監督
ダン・メイザー
個人的な感想
ロバート・デ・ニーロのコメディ映画は、評価が低めです。何もコメディに出なくても…といった厳しい意見も目にします。
確かに、デ・ニーロはシリアスな役作りをして作品に臨む徹底的な演技派であり、そのイメージが世間に定着している。以下の作品におけるデ・ニーロを観て、なんとも思わない人は、むしろ稀だろう。
『ゴッドファーザー PART Ⅱ』
『タクシードライバー』
『レイジング・ブル』
『アンタッチャブル』
名作の中の〝名優〟
それが、ロバート・デ・ニーロ。
そんな偉大な俳優にとって、コメディ映画とは一体?
今回紹介する『ダーティ・グランパ』は、祖父(デ・ニーロ)と孫(エフロン)が旅をする映画です。
軽いノリと下ネタが売りで、デ・ニーロのマスター◯◯ションのシーンが見られます。
すごいサービス!
その後も、アホみたいなギャグばかり。
〝しょぼいターミネーター〟というセリフで笑い、孫が留置場から出てきたところでは大笑いしました。笑えるって、素晴らしいことですね。ナンセンスな下ネタが好きな方なら、楽しめるかな、と。
個人的には、デ・ニーロじいさん(御歳72・公開時)の表情がいかにも楽しげで、かわいく見えました。
ストーリーは、疎遠だった祖父と孫の距離が縮まり、ついでに、孫のほうがちょこっと成長する的な感じです。関係性の改善と青年の成長は物語のセオリーだから、それ自体は批判するに及ばない。
焦点を当てるべきは、全編を貫く下ネタです。もしそれが笑えるなら、この作品はOKだし、もしそれが苦痛なら、今作は回避したほうがいい。ただし、作品の根底を流れるテーマは〝老いの恐怖〟であり、数々の下品な言動は恐怖の反動と捉えることができる。とはいえ、下ネタがダメならやはり…
本当に好みの分かれる作品です。が、ある意味、ぎりぎりまで攻めてます。ぼくは〝名優〟という骨董品じみた称号を全然大切にしないデ・ニーロは、やっぱりすごいじいさんだと思います。
嗚呼、デイトナ・ビーチ行きてーーー!
言い忘れましたが、個人的には『ディア・ハンター』が好きです。皆さんの好きなデ・ニーロは?