2014年(アメリカ)
監督・脚本
ダン・ギルロイ
☆報道パパラッチ(ナイトクローラー)の成功と闇。
個人的な感想
まず、日本人には、報道パパラッチのことがよくわからないというか。あ、ぼくだけかもしれませんが…
報道パパラッチとは、事故現場や犯罪現場にいち早く、時には警察より早く到着して撮影し、TV局に売り込む仕事。
通称〈ナイトクローラー〉
日本にはいませんよね? 現場でご遺体を撮影したところで、TV局は買い取ってくれないし、たとえモザイクを入れても放映できないでしょう。
しかし、アメリカ(広いのでなんとも言えませんが都市部?)では、ナイトクローラーが暗躍してスクープをものにしていると思われます。だからこの映画は撮影され、評価されたのだと、ぼくは解釈しました。間違っていたら、ごめんなさい。
内容を端的に言うと、報道パパラッチ・ルイス(ジェイク・ジレンホール)の売り込むネタと売り込み方がエスカレートしていく物語です。ルイスには倫理観が欠如しているけれど、成功に対する執念は見上げたものです。撮れ高のために、ご遺体をいじったり、不法侵入したりします。
ルイスにとって、スクープ(情報)の価値は人命、尊厳、倫理に勝る。倫理観のない人が、倫理を世に問うニュース番組にネタを供給しているという現実…
ルイスは性格上、人を人とは思わないし、平然とTVディレクターのニーナ(レネ・ルッソ)に〝枕〟を要求する。ク◯っぷりが実に爽快。最後まで観れば、ここまでしないと成功できない、のではなく、こういう奴だから成功できたんだと納得できます。
ただ、ルイスは仕事に対して、ひじょうにストイックです。行動力はあるし、能力も高い。ルイスのような人がいるから、特ダネが日の光を浴びることができるのかもしれません。
では、また!