上空でクロール

雑記ブログ。目標は100000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『そして父になる』の感想


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2013年公開

監督
是枝裕和

出演
福山雅治
リリー・フランキー

・エリート・サラリーマンである良太(福山雅治)が、〝 子供の取り違え〟を経験することで自分を見つめ直し、本当の意味での父性を獲得する物語。


そして父になる

そして父になる


☆個人的な感想

エリート・サラリーマンと町の電気屋。なんだか二項対立的だなあと思いながら観ているうちに、ふと、双方とも日本によくある家庭のタイプなんだと気づく。とてもわかりやすい。

エリートの家庭では、子供は厳しく育てられる。電気屋の家庭では反対に、奔放に成長していく。
現実問題として、前者のほうが裕福であり、様々な教育の機会を与えることができる。現代日本における〝恵まれた家庭〟である。社会的・経済的に成功する確率は後者より上だ。冷たいようだが、それが現実なのだ。しかし…


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しかしホーム・ドラマの世界においては事情が異なる。貧しくても、明るく楽しく生活できる家庭像を提示し、肯定する。観客も、なんとなく、貧しくても固い絆で結ばれた家庭に好感を抱く。

本作品では、エリート家庭の子と電気屋家族の子が、病院で取り違えられたまま育つ。事実がわかって、彼らは悩み、葛藤を経て、子供をまた交換する、つまり、実の子供をそれぞれ引き取る。


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エリート家庭の父は、当初、嫌な親のイメージそのまま(成熟していない印象)だが、最終的には、絆に絡めとられる。彼を通して、血のつながりを否定することなく、それとは別のものの大切さを訴えかけてくる。良質な物語だ。


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話は変わるが、家庭というのは社会である。小さな社会だ。人が2人集まれば、社会は生まれる。だがその当たり前の定義みたいなのはどうなんだろうと最近、思う。あえて言うと、個人1人だけで〝社会〟を形成し得るのではないかと。孤独でも頭の中で誰かと話すのだから、すなわち、いくら独りでいようと、自動的に〝社会〟を作ってしまうのではないかと。


話が脱線しました(笑)

では、また!