☑️はじめに
カピバラって知ってますか?
小さな動物園にいたり、温泉に浸かってまったりしている小動物です。
ぼくは職場でそいつとバッタリ会いました。誰も信じてくれませんが、事実です。
☑️背景
その日は
とてつもなく忙しい夜勤でした。
次から次へと問題が起こり
ぼくも含めた夜勤職員は満足に休憩も取れませんでした。
夜間は職員が少ないので、失禁、転倒リスクの高い方の徘徊、転倒、トイレ・コール、起き出し、アクシデントなどが重なると、パンクします。
殺伐とした空気の中で、危険度が高いものから同僚と処理していくのですが、終わりは見えません。
くたくたで、歩きながら寝る始末。
で、壁にぶつかって目覚めるという……
介護の仕事は利用者様次第です。
全員自立の方なら、とても楽ちんですが
もちろんそんなはずもなく、介助が必要な方ばかり揃っているので、楽はできません。
それが、現実。
結局、休みを取れたのは午前4時頃でした。
とりあえず落ち着いていたので、庭に出てベンチに座って伸びをする。
眠くて眠くてたまらない。
頭も景色も、朦朧としていて…
でも5時から〝起こし〟が始まる。
20名弱の、寝ぼけマナコのご老人を起こしていくわけです。
☑️出会い
〝起こし〟の順番について検討していると、いきなり何かが飛んできました。
犬?
そう、はじめはそう思ったんです。
野良犬かと。
それがカピバラと気づくまでには、ちょっと時間がかかりました。
気づいたときには、すでに、カピバラは庭の向こうの雑木林に入り込んで、見えなくなっていました。
よほど怖かったのか、ぼくはベンチの上(座面)に正座し、ささくれ立った背もたれにしがみついているのでしたw
☑️結び
カピバラと遭遇した件を周りの人に話しても、誰も信じてくれませんでした。
アホか嘘つきと笑われました。
今度会ったら動画に撮ってやろうと思っています。カピバラ動画を観れば、みんなぼくの言ったことを信じるでしょう。
もしもあれが幻だったら…
もしもあれが脳の作りだした幻影だったとしたら…
ぼくは幻想の中で生きている、ということに…