上空でクロール

雑記ブログ。目標は100000記事。書きたいときに書き、休みたいときは休む。線路は続くよ、どこまでも。

『フレンチ・コネクション2』

◼️1975年 アメリ
◼️監督 ジョン・フランケンハイマー
◼️主演 ジーン・ハックマン


◼️COMMENTS

タイトルを見ておわかりの通り、『フレンチ・コネクション』の続編である。

カーチェイスが鮮烈な印象を残す前作とは打って変わって、本作品ではジーン・ハックマン演じる刑事ドイル(愛称はポパイ)がとんでもない目に遭う。パート1では無双状態だったから、こうなったのは当然の帰結か(笑)

◇ ◇ ◇

前作で逃げられた麻薬の売人シャルニエを追って、ポパイはマルセイユに渡る。現地の警察の協力を得て捜査をする、というわけだ。ポパイは41歳で、前作より見た目は落ち着いている。


だが、気性の激しさは変わっていない。地元刑事とは対立、指示に従うわけもない。やりたい放題である。ゆで卵をアテにスコッチを飲んで酔っ払うのだが、なぜかうまそうに見える。


シャルニエは偽名らしく、捜査はなかなか思うようにいかない。ポパイが気づくより先に、シャルニエのほうがポパイの存在を知る。シャルニエは手下を使ってポパイの拉致監禁に及び、クスリをたんまり打つ。


フレンチ・コネクション2 [Blu-ray]

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  • 発売日: 2017/07/05
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色々あって、シャルニエはポパイを解放。中毒症状と戦うポパイ。彼はフランスに送られてシャルニエに始末されるよう仕向けられたことに思い至る。つまり、ハメられたのだ。ここにきて、地元刑事も同情的になる。哀愁が漂う場面だ。



だが、ポパイはへこたれない。



kaigodays.hatenablog.com

『ザ・バンク 堕ちた巨像』

◼️2009年 米英独
◼️監督 トム・ティクヴァ
◼️出演 クライヴ・オーウェンナオミ・ワッツ


◼️COMMENTS

邦題はバンクだけれど、緻密な金融サスペンスではない。


原題は“The International”


問題のバンクは、ルクセンブルクのIBBCという巨大銀行だ。世界的な銀行とのことなので、想像がつかない。イメージできないものは大抵、胡散臭く見えるもので、悪役にはぴったりの組織だと思った(笑)


IBBCの悪事とは、ミサイル誘導装置の購入だ。兵器は無断で売買してはいけない。問題は、銀行がなぜそんなものを? 何のために? 何の得が? 仲介業者になったところで大した儲けは出ないはず…

◇ ◇ ◇

ニューヨーク検事局の調査員が、IBBCの情報提供者とベルリンで接触するも、別れた直後、不審な死を遂げる。ともに捜査をしていた、インターポールのサリンジャーは青酸カリによる毒殺と推測するが、巧妙な仕掛けを見破ることができない。


これまでも、IBBCの闇に関わってきた人々は命を落としてきた。やばい銀行なのだ。アメリカの、ニューヨークの検事局がわざわざ捜査しているのも、IBBCのNY支店が悪さをしているためだった。つまり、IBBCは世界中で悪さを働く、もはや金融業者の枠には収まりきらない、えげつない組織なのだ。


ぐっと落ち着いた雰囲気の作品だが、テンポは早い。サリンジャー演じるクライヴ・オーウェンの執念めいたものも、しっかり伝わってくる。特にIBBC関係者の胡散臭さは中々のもので、大いに期待を抱かせる。まさにサスペンスだ。点と点は線で結ばれ、結ばれたと思ったらぷつんと途切れ…。ただ、終盤は案外さっくりとまとまったな、と。

ザ・バンク 堕ちた巨像 (字幕版)

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個人的には、ロスチャイルドやオズワルドなどを連想させるところもあって、楽しめた。緊張感が最初から最後まで続くので、飽きはこない。もちろん、同監督の『ラン・ローラ・ラン』みたいな笑いは1ミリもない。シリアスな作品である。